研究開発

フッ素不使用の非粘着塗装技術に向けた弊社取り組み 第2弾

1.はじめに

前回に引き続き、第 2 弾として弊社の取り組みをさらに深掘りして紹介させていただきます。前回お話しした PFAS 問題への対策に関して、弊社の取り組みはすでに約 2 年が経過しています。この新技術は完成間近であり、「デフロールコート」として一部のお客様にはすでに提案を開始しています。

今回は、この「デフロールコート」について詳しくご紹介いたします。

 

2.新技術の概要

開発の背景

弊社では、フッ素化合物を使用しない非粘着塗装技術の開発を進めてきました。フッ素を使わずに従来と同等の性能を確保することは容易ではありませんが、試行錯誤の末、非粘着性・摺動性を実用上両立する新技術を確立しました。本稿では、この技術の概要と特長につ
いてご紹介します。

技術の仕組み

新技術では、従来フッ素化合物が担っていた摺動性を確保するために、独自の材料選定と試験を重ね、最適な代替成分を見出しました。さらに、非粘着性についても、従来のフッ素技術を超える性能を実現する新たな素材を採用。試行錯誤を通じて、改めてフッ素化合物の優れた機能性を実感しましたが、新技術ではハサミ用途において十分にその効果を代替できることが確認できています。

3. 新技術の特徴と従来品との比較

新技術の性能を検証するため、実際のハサミ製品に適用し、従来のフッ素塗装製品との比較評価を行いました。評価は、意匠性・塗膜の硬さ・非粘着性・切れ味・摺動性・組み付けの作業性といった各項目について、お客様の協力のもとで実施。以下の表は、それぞれの項目について 10 点満点で評価した結果です。

 

デフロールコート品 従来品
意匠性 10 10
塗膜の硬さ 7 9
非粘着性 10 8
切れ味 10 9
摺動性 9 10
組み付けの作業性 10 10

 

4. 今後の展開

量産化の見通し

現在、細かな課題の調整を進めております。お客様からすぐに採用したいというご要望があれば、個別対応も可能ですが、基本的には 2025 年夏以降のリリースを予定しております。

今後の開発課題

従来品に比べて耐摩耗性能が若干劣るため、できるだけその差を軽減できるよう、課題解決に取り組んでいます。

適用範囲の拡大

現在、新技術はハサミを中心に展開していますが、さらなる適用範囲の拡大を目指しています。具体的には、テープカッターなどの機械刃への応用を進めており、粘着物の付着を防ぎつつ、安定した切れ味を維持することを目標としています。
また、今後は金属同士の摺動を要する分野への展開も視野に入れています。例えば、摺動部品やスライド機構など、摩擦低減と耐久性が求められる用途において、新技術の特長を活かせる可能性があります。今後もさらなる改良を重ね、幅広い分野での実用化を進めてまいります。

5.まとめ

本稿では、フッ素化合物を使用しない新技術「デフロールコート」についてご紹介しました。フッ素に頼らず、従来と同等以上の非粘着性と摺動性を実現することは決して容易ではありませんでしたが、試行錯誤を重ねることで、ハサミ用途に適した最適な材料と技術を確立することができました。

現在、細かな課題の最終調整を進めており、お客様のご要望に応じてご提案が可能な段階にあります。基本的には 2025 年夏以降のリリースを予定しておりますが、今後も改良を重ねながら、より幅広いニーズに対応できる技術へと発展させていく方針です。
引き続き、環境負荷の低減と高性能な製品の両立を目指し、開発を進めてまいりますのでご興味をお持ちの方は、ぜひお問い合わせください。

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